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2015年までのドル/円、ユーロ/ドルの長期予想・見通し
相場ローテーションを読んでお金を増やそう/岡崎 良介(著)
をベースにしながら、ドル/円とユーロ/ドルの長期見通しについて、サイクル分析で順を追って、予想してみたいと思います。
【米国債のイールドカーブについて】
過去のイールドカーブの動きと景気循環の動きには、以下のようなサイクルが確認されています。
逆イールドカーブが発生
↓
景気後退
↓
イールドカーブのスティープ化発生
↓
景気回復
※逆イールド・カーブやイールド・カーブのスティープ化については、Dynamic Yield Curveで時系列を辿ることができます。(S&P500の動きと見比べることができますので、大変便利です。)
イールド・カーブと為替との関係については、ドル/円の動きが、過去、米国債金利の動向やCRB指数などと深い関係にあることから、それらの動きの予兆となる動きとして貴重なデータとなることがあります。
現在のところ、2008年の3月にイールド・カーブのスティープ化が確認されています。
2001/11(イールド・カーブのスティープ化)→2003/2(S&P500株価底打ち)で見られたように、2008/3(イールド・カーブのスティープ化)→2009/3(S&P500株価底打ち)が確認されています。
【米国10年債利回りについて】
米国10年債利回りがボトムアウトしてから、過去、ドル/円相場は最長で1年10ヶ月、最短で7ヶ月以内に円安トレンドに転換することが確認されています。現在のところ、2008.12に米国10年債利回りはボトムアウトしていますので、過去のパターンから行けば、2010年の後半から2011年までには、円安トレンドに変わる可能性があります。 ただし、この先に米国10年債利回りが2008.12のボトムを割ると、さらに円高トレンドが続くことになります。
【CRB指数について】
CRB指数がボトムアウトしてから、過去、平均して2年4ヶ月後にドル/円相場は円安トレンドに転換することが確認されています。現在のところ、2009.3にCRB指数はボトムアウトしており、2011の夏前後まで円高トレンド、その後、円安トレンドへ転換することが予想されます。
【米国の利上げについて】
アメリカFRBのFFレートの引き上げと同時か、利上げ後、最長1年2ヶ月あまりで、過去、ドル/円相場は円安トレンドへ転換しています。さらに、FRBは景気のボトムアウトから、約1年半で利上げを実施してきた過去があります。米国債のイールド・カーブのスティープ化が2008年3月に確認→2009年第一四半期に景気のボトムアウトと仮定しますと、早ければ、2010~2011にかけて利上げが行われる可能性があります。
また、利上げが開始されると、どんなに長くても2~3年あまりでドル/円相場は円安から円高トレンドへ転換することが過去、確認されています。もし、2011年前後に利上げがあるとすると、2011にボトムアウトした円高は2013ぐらいまでは円安トレンドが続きそうです。
【ドル/円のボトムアウト】
イールド・カーブ、米国10年債利回り、CRB指数、米国の利上げを時系列で並べて見ますと、米国10年債利回りボトムアウトから予想するドル/円のボトムはやや過去のものとは異なるものになりそうなものの(この先、もう一度ボトムをつける?)、ドル/円のボトムアウトはこのまま順調に進めば、2011年のどこかで訪れそうです。
【ドル/円のボトムアウト~もうひとつのサイクル】
為替相場に限らず、相場の名のつくものは時として人智を超えた動きを見せることがあります。事実、2008年の秋の為替相場の動きや株式市場の動きには140億分の1の確率でしか統計的には起こりえないことが起きたとも言われており、値幅、そして日柄ともにファンダメンタルズやロジカルには理解し得ない動きが示現したのは記憶に新しいところです。
そんな中、サイクルという視点で為替のマーケットを眺めて見ますと、非常に興味深い視点を提供してくれることがあります。
例えば、ドル/円相場には16年サイクルや、10年サイクルなどが過去、確認されています。1978年10月(ドル/円176円)から、約8×2=16年後の1995年(ドル/円80円)から8年×2=16年後の2011年は上記のドル/円のボトムアウトに当たります。また、1985年、1995年、2005年と10年おきにドル/円とユーロ/ドルは同じ年にボトムアウトかピークアウトを迎えた過去があります。再び、2015年は、ドル/円とユーロドルが揃ってボトムか、ピークを迎えるのでしょうか?
【ドル/円相場の値幅について】
値幅については、非常に予測が難しいですが、2011年のどこかで、前回の1995年の安値ドル/円80円ぐらい?まではいくと見てます。大きく下に振れることがあったとしても、75-65円までではないかと思います。2011年以降、2013年で一旦円高に振れるものの、2015年までは基本的に円安トレンドで140-160円ぐらいまでをイメージしてます。
【ユーロ/ドル相場の予想について】
欧州経済、EUそのもの成長持続性については、個人的にはかなり懐疑的です。ですから、ドルが売り込まれる場面がこの先あったとしても2007-8年の高値は2015年までに抜けないのではないかと見てます。仮にそれを抜いたとしても長続きはしないと思います。そして、ユーロ/ドルは2015年にボトムをつけると予想して、2013年あたりに来るであろう戻り高値のショート戦略が本命。目先的には2010半ばぐらいまではロング目線で見てます。
【為替相場のサイクルについて】
過去に起こったことが、必ず将来起こるとは限りませんが、あのリバモアが言うように「株や商品の、(そして為替も含むあらゆる)マーケットでは、なんら新しいことは起きないという」ことも一つの真理だと思います。マーケットは、ある面では暴騰と暴落の繰り返しで、材料はしばしば後付にしかすぎないことが決して少なくありません。過去の逆イールドの出現、ITバブル、日本の資産バブル、2008年の暴落も「今回は違う」との声が多くありましたが、値動きこそ大きいものの、振り返ってみれば、過去のサイクルを踏襲したかのように動いたものもありました。2009年だけでも、GBP/USDの8年サイクル、上記の米国債のイールド・カーブのスティープ化から約1年半前後の株価の底打ちなどが見られました。
上記の予測については、動きがあり次第、随時、加筆・修正していく予定です。
追記:サイクル分析ではありませんが、「ドル/円の長期予想 2013年→2017年は1995年→1999年型の円安トレンドか?」の記事を書きました。(2013.1.17)
【参考文献】
相場ローテーションを読んでお金を増やそう/岡崎 良介(著)
「10年大局観」で読む 2019年までの黄金の投資戦略/若林 栄四(著)
金を通して世界を読む/豊島 逸夫(著)
新版 ソロスの錬金術/ジョージ・ソロス (著)
世界デフレは三度来る 下 (講談社BIZ)/竹森 俊平(著)
トゥモローズゴールド 世界的大変革期のゴールドラッシュを求めて (ウィザードブック)/マーク・ファーバー(著)
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2015年までのドル/円、ユーロ/ドルの長期予想・見通し

相場ローテーションを読んでお金を増やそう/岡崎 良介(著)
【米国債のイールドカーブについて】
過去のイールドカーブの動きと景気循環の動きには、以下のようなサイクルが確認されています。
逆イールドカーブが発生
↓
景気後退
↓
イールドカーブのスティープ化発生
↓
景気回復
※逆イールド・カーブやイールド・カーブのスティープ化については、Dynamic Yield Curveで時系列を辿ることができます。(S&P500の動きと見比べることができますので、大変便利です。)
イールド・カーブと為替との関係については、ドル/円の動きが、過去、米国債金利の動向やCRB指数などと深い関係にあることから、それらの動きの予兆となる動きとして貴重なデータとなることがあります。
現在のところ、2008年の3月にイールド・カーブのスティープ化が確認されています。
2001/11(イールド・カーブのスティープ化)→2003/2(S&P500株価底打ち)で見られたように、2008/3(イールド・カーブのスティープ化)→2009/3(S&P500株価底打ち)が確認されています。
【米国10年債利回りについて】
米国10年債利回りがボトムアウトしてから、過去、ドル/円相場は最長で1年10ヶ月、最短で7ヶ月以内に円安トレンドに転換することが確認されています。現在のところ、2008.12に米国10年債利回りはボトムアウトしていますので、過去のパターンから行けば、2010年の後半から2011年までには、円安トレンドに変わる可能性があります。 ただし、この先に米国10年債利回りが2008.12のボトムを割ると、さらに円高トレンドが続くことになります。
【CRB指数について】
CRB指数がボトムアウトしてから、過去、平均して2年4ヶ月後にドル/円相場は円安トレンドに転換することが確認されています。現在のところ、2009.3にCRB指数はボトムアウトしており、2011の夏前後まで円高トレンド、その後、円安トレンドへ転換することが予想されます。
【米国の利上げについて】
アメリカFRBのFFレートの引き上げと同時か、利上げ後、最長1年2ヶ月あまりで、過去、ドル/円相場は円安トレンドへ転換しています。さらに、FRBは景気のボトムアウトから、約1年半で利上げを実施してきた過去があります。米国債のイールド・カーブのスティープ化が2008年3月に確認→2009年第一四半期に景気のボトムアウトと仮定しますと、早ければ、2010~2011にかけて利上げが行われる可能性があります。
また、利上げが開始されると、どんなに長くても2~3年あまりでドル/円相場は円安から円高トレンドへ転換することが過去、確認されています。もし、2011年前後に利上げがあるとすると、2011にボトムアウトした円高は2013ぐらいまでは円安トレンドが続きそうです。
【ドル/円のボトムアウト】
イールド・カーブ、米国10年債利回り、CRB指数、米国の利上げを時系列で並べて見ますと、米国10年債利回りボトムアウトから予想するドル/円のボトムはやや過去のものとは異なるものになりそうなものの(この先、もう一度ボトムをつける?)、ドル/円のボトムアウトはこのまま順調に進めば、2011年のどこかで訪れそうです。
【ドル/円のボトムアウト~もうひとつのサイクル】
為替相場に限らず、相場の名のつくものは時として人智を超えた動きを見せることがあります。事実、2008年の秋の為替相場の動きや株式市場の動きには140億分の1の確率でしか統計的には起こりえないことが起きたとも言われており、値幅、そして日柄ともにファンダメンタルズやロジカルには理解し得ない動きが示現したのは記憶に新しいところです。
そんな中、サイクルという視点で為替のマーケットを眺めて見ますと、非常に興味深い視点を提供してくれることがあります。
例えば、ドル/円相場には16年サイクルや、10年サイクルなどが過去、確認されています。1978年10月(ドル/円176円)から、約8×2=16年後の1995年(ドル/円80円)から8年×2=16年後の2011年は上記のドル/円のボトムアウトに当たります。また、1985年、1995年、2005年と10年おきにドル/円とユーロ/ドルは同じ年にボトムアウトかピークアウトを迎えた過去があります。再び、2015年は、ドル/円とユーロドルが揃ってボトムか、ピークを迎えるのでしょうか?
【ドル/円相場の値幅について】
値幅については、非常に予測が難しいですが、2011年のどこかで、前回の1995年の安値ドル/円80円ぐらい?まではいくと見てます。大きく下に振れることがあったとしても、75-65円までではないかと思います。2011年以降、2013年で一旦円高に振れるものの、2015年までは基本的に円安トレンドで140-160円ぐらいまでをイメージしてます。
【ユーロ/ドル相場の予想について】
欧州経済、EUそのもの成長持続性については、個人的にはかなり懐疑的です。ですから、ドルが売り込まれる場面がこの先あったとしても2007-8年の高値は2015年までに抜けないのではないかと見てます。仮にそれを抜いたとしても長続きはしないと思います。そして、ユーロ/ドルは2015年にボトムをつけると予想して、2013年あたりに来るであろう戻り高値のショート戦略が本命。目先的には2010半ばぐらいまではロング目線で見てます。
【為替相場のサイクルについて】
過去に起こったことが、必ず将来起こるとは限りませんが、あのリバモアが言うように「株や商品の、(そして為替も含むあらゆる)マーケットでは、なんら新しいことは起きないという」ことも一つの真理だと思います。マーケットは、ある面では暴騰と暴落の繰り返しで、材料はしばしば後付にしかすぎないことが決して少なくありません。過去の逆イールドの出現、ITバブル、日本の資産バブル、2008年の暴落も「今回は違う」との声が多くありましたが、値動きこそ大きいものの、振り返ってみれば、過去のサイクルを踏襲したかのように動いたものもありました。2009年だけでも、GBP/USDの8年サイクル、上記の米国債のイールド・カーブのスティープ化から約1年半前後の株価の底打ちなどが見られました。
上記の予測については、動きがあり次第、随時、加筆・修正していく予定です。
追記:サイクル分析ではありませんが、「ドル/円の長期予想 2013年→2017年は1995年→1999年型の円安トレンドか?」の記事を書きました。(2013.1.17)
【参考文献】
相場ローテーションを読んでお金を増やそう/岡崎 良介(著)
「10年大局観」で読む 2019年までの黄金の投資戦略/若林 栄四(著)
金を通して世界を読む/豊島 逸夫(著)
新版 ソロスの錬金術/ジョージ・ソロス (著)
世界デフレは三度来る 下 (講談社BIZ)/竹森 俊平(著)
トゥモローズゴールド 世界的大変革期のゴールドラッシュを求めて (ウィザードブック)/マーク・ファーバー(著)
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