中国経済の躍進は誰もが認めるところですが、それに伴い中国の為替政策 が為替のマーケットに与える影響は日に日に増しています。
近年の中国は貿易黒字の拡大が著しく、対米貿易黒字、対ヨーロッパ貿易 黒字は年々増加しており、中でも対米貿易黒字は日本を抜き、世界でトップ となっています。実際の金額では、中国の2006年の貿易黒字額は約1400億ド ルとなり、日本の貿易黒字の約1000億ドル前後を上回っています。ちなみに、 日本は貿易収支よりも、配当や利子などで構成される資本収支のウェイトが 高くなっています。
一方、中国では、貿易黒字が膨らむにつれ、切り上げ圧力が高まっています。 ちょうど1980年代に日本がプラザ合意で1ドルが200円台まで切り上がったの と同じような為替圧力があると想定できます。
ところが、中国では通貨固定制を採用しており(至2007年)、元の切り上げ圧力 を逸らすためにも為替介入に近い形で、ドルやユーロを買い支えなければいけ なくなっています。
その為替政策が如実に表れているのが、中国の外貨準備高でありまして、すで に世界一の残高の外貨準備高は1兆ドルを突破しました。
中国政府は外貨準備高の内訳を明らかにはしていませんが、ドルとユーロがその 大半であると言われ、2000年以降は急激に残高が伸びています。
ちなみに2006年は、ユーロなどの値上がりと外貨準備高の上昇に明らかな因果関 係が認められる※ことからみても、中央銀行はドルの保有率を下げ、ユーロの比率 を上げてきているものとみられています。
※2006年の1月と11月はいずれも外貨準備高が急伸しており、その時に対ドルで ユーロ、円が上昇していたことからドルを売り、円と、ユーロを買っていたこと が予想されます。
中国政府、中国の中央銀行のそうした急激な動きは、為替のマーケットにも大きな 影響を与えておりまして、為替相場の趨勢を左右していると言っても過言ではあり ません。
こうした状況がいつまで続くかは分りませんが、2010年までには中国の外貨準備高 は2兆ドルを超えると予測するアナリストもいるほどですので、当面中国政府の為替 政策は注視する必要があると言えるでしょう。