社内レート設定と為替への影響

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日本はトヨタに代表されるような国際的な輸出企業が数多くありますが そうした企業の多くは、為替に対してヘッジを行うために予め社内レート というものを定めていまして、今年は対ドルで1ドル=110円といった具合 で設定しています。

そして、日本の輸出企業群の海外での収益は多額に上ることから、その社 内レートの影響は、実は企業収益だけでなく為替に与える影響も少なくあ りません。

例えば、複数の輸出企業が1ドル=110円で社内レートを設定しているとし まして、6ヶ月先にはドルから円に変える必要があるとします。その規模が 100億ドル程度だったとします。

為替担当者は、社内レートである110円が基準値ですから、例えば6ヶ月先の 為替レートが115円になれば、つまり6ヶ月先物が115円の場合、それを売って おけばいいということになります。もちろん、112円でも113円でもいいでしょう。

とにかく6ヶ月先物が110円を超えてくれば、先物で売りを入れておけば、仮に 6ヶ月後に為替レートが100円になったとしても、90円になったとしてももう社内 レートの1ドル=110円は確保したということで、為替担当者は最低限の役割を果 たしたというわけです。

これを為替相場という観点から見ますと、どうでしょうか?

つまり、輸出企業群の社内レートよりも円の先物レートが上昇してくると、断続 的に先物に売りが出てくる可能性があるということです。

そして、先物に売りが出てくるということは、裁定が働き現物にも売り圧力がかか ってくるということになります。

為替は様々な要因が複雑に絡み合って、レートを形成しますが、こうした一連の 輸出企業の為替に対する動きは決して無視できるほどの規模ではありません。

参考指標としては大手企業の社内レートは短期的・中期的には有用性の高い指標の 一つと言えるかもしれません。

なお、企業によっては上で挙げた例とは逆に円高になると増収、円安になると減収 といった具合で、社内レートを設定している企業もあります。数は少ないと思いま すが…。

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