資本収支と円高・円安



国際収支の中でも直接投資、証券投資、現預金などの資本収支の 推移は為替に大きな影響を与えています。

近年の日本の証券投資市場の売買主体には国内の機関投資家、個人、 そして、「外国人投資家」がいますが、とりわけ外国人は年々 その存在感を増しています。

外国人と称した国内の投資家による迂回投資もあるでしょうし、外国 人投資家の資金が全て海外からの資金というわけではありませんが、 入り口・出口としては、外国からの資金ということで認識できます。

そして、そうした外国人による株式や債券などの証券投資の売買は証券 市場に与える影響はもちろん大きいのですが、為替に与える影響も決して 小さくなく、例えば、日本の株式市場が急落したりしますと、突発的に 円高に振れたりすることが少なくありません。

そうした動きについてある経済評論家は、

「海外のヘッジファンドの中にはシステムトレードに近い取引を行ってい るところも少なくなく、一時的に売りが売りを呼ぶということが急速な円 高に繋がっているのでは…」

と評しています。

国際的な資本の流動性が高くなり、国境を越えて証券投資や商品投資などが 行われている現在の世の中では、決して不思議なことではありません。

ヘッジファンドに、システムトレード…、いかにも現代らしいと言えますが、 FXなどにおいても決して無視できる存在ではありませんので、証券投資市場 などにおける外国人投資家の存在はチェックしておいて損はないかもしれません。

また補足的ですが、外国のヘッジファンドは裁定取引、信用取引などを好んで 使用してくる傾向にありますので、裁定売買残高、信用売買残高の推移などを 参考指標としてチェックしておくのもいいかもしれません。

また、逆に日本から海外への投資も現在は増えていますので、海外からの 資金の引き上げにつながるような動きがあった場合も注意が必要かもしれま せん。

と言いましても、日本の場合、アクティブな投資主体がどれほどいるかは分り ませんが…。